グンブロ広告

ビジネスライセンス料  3,000円/月

飲食関連事業用 ライセンス 毎日1セット広告  1,600円/月

お問い合わせは、 info@gunmawen.net

本広告は、30日以上記事の更新がされませんと自動的に掲載されます。 記事が更新された時点で、自動的に破棄されます。  

Posted by 株式会社 群馬webコミュニケーション at

2014年12月08日

良く見ればよかった・・・

失敗は誰にでもあるもの、後悔しても仕方ありません。
私も数々の数えきれない、思い出したくもない失敗をやらかして参りました。

骨董などという魑魅魍魎とした世界に足を踏み入れてしまったころ、2005年頃だったでしょうか?
当時、たまに顔を出していたお客様から やや東北訛りがかった語りで、『雛人形が入っているつづらがあるんだけどいらない?もちろんタダだよ。もらってよぉ』と言われた。
あまり前向きになれなかったので、遠方を理由にやんわり断っていると、『君の車を貸してくれれば僕が積んできてあげるよ。どうせひまなんだから』と北海道出身の白髪おじさんが言い出した。
じゃお願ね、なんて東北訛りが笑顔になり二人で私の車で出掛けてしまった。
数時間後私の車の後部に大きなつづらが積まれて到着。おじさん二人は満足そうに去って行った。

数日その大きなつづらと同行していたが、気のせいと思うが車に乗ると背中がムズムズする。これは嫌な虫でも這い出しているのか!?なんて思うといてもたってもいられない。 古物を扱うのを生業にしているくせに情けない。
すぐにでもその厄介物を引きずり降ろさねば・・・!後部のハッチを開け、両手で抱えたがびくともしない。蓋を開けようにも堅く縛られた荒縄でどうにもならない。なんとか引きずり出そうとすると底が擦れて嫌な音がする。これでは愛車が可愛そう。ジャケットも汚れるではないか!
そうだ!明日は丁度骨董業者の集まる市場(オークション)ではないか。そこで処分してしまえばいい。後部ハッチを閉めた。

市場当日、胡散臭い古物商の面々がのそのそしている。競場の端に車を止め、近くにいた者に手伝ってもらいつづらを降ろした。
大きな品で眼を引いたのか、いつの間にか業者でいっぱいになっている。丁度開会の時間となり、競を仕切っているT氏が「せっかく皆さんお集まりのようなので、今日はこの荷から競りましょう!」なんて言い出した。ちょっと待ってよ、まだ中身見てないんだけど・・・。という言葉もかき消され競が始まってしまった。
中身がなんだか判らないこともありかなり安く終わってしまったが、どうせタダだったし、背中のムズムズもあってか売ってしまった。
東京から来ていた珍宝堂という変てこな屋号のおじさんが落札したのだ。おまえ、中見ていないなんて誰も信じねえぞ。薄笑いを浮かべながら蓋を開けた。
雛道具に混ざって出てきたのは、なんと!ブリキのラビットスクーター!セルロイドの女の子が乗っている。しかも箱付ではないか!!悲鳴ともつかない叫び声がこだました。
ホントに中身みてなかったのね。T氏の言葉が背中に刺さった感じだった。

珍宝堂め!今もあのブリキのおもちゃ撫ぜてやがるんだろうな!!
ジャケット破けてもあのつづら降ろすんだった・・・。

後日古本の買い取りがあり、その中に北原のブリキおもちゃ特集、なんとあのスクーターが出ているではないか!マニア垂涎の品!箱付はいまだ見たことなし!
古傷は癒えることない。
  


Posted by あんてぃーく 六 at 23:50