2010年03月18日

彼女て、ひょとしたら・・・?

彼女て、ひょとしたら・・・?


T氏の骨董自慢話にうんざりしていると7時を告げる鍾がなった。もうこんな時間ですね・・・。
タイミング良く時を知らせてくれた柱時計に感謝しT氏を見送りながらお店のかたずけに入った。
外に出した商品をかたずけていると、一人の女性がお店の前に立っている。季節は冬だった。全身白っぽい服だったように記憶している。
「よかったらどうぞ・・・」割と美人に見えたその女性をお店に入れた。男だったら声もかけなかったろう?
その女店に入るなりこう聞いた「このお店って何屋さんですか?」「古道具屋ですけど・・・」「そういえば看板にそう書いてありますね!」その返事を聞いてちょっとおかしいと思ったが遅かった。
店内をゆっくり歩き回りながら色々質問してきたのだ。
「こんなもの買う人いるんですか?」
「100円ショップのものとどこか違うんですか?」
「どこで仕入れてくるの?」
どの質問もとても答える気にならない。だんだん腹が立ってきた。ちょっと綺麗に見えたからってお店に入れた自分を恥じた。
今日は厄日だ・・・なんておもっていると、
「古い物に囲まれてるとなんだか時間がゆっくり流れてる感じでいいですね!?」なんて言ってきた。
おっ!いいこと言うじゃない。なかなかいい事言う子だな~なんて思っていたのが甘かった。
「おじさん毎日ここに居るんでしょ?ここにいるなんておじさんのこと心配!」なんてぬかしやがった。
もう返事もする気になれませんでした。
「切子ガラスが好きなんです。ここだったら気に入ったものがありそうなのでまた来ます。」なんて言いながら去っていきました。
それ以来切子ガラスは仕入れる気にもならなかったのですが今回あんまり綺麗だったので買ってしまいました。
彼女には知らせるつもりはありません。

後日彼女が住んでいると言っていた場所を通りかかりました。アパートらしきもありましたが、お寺の墓地の方が広かったようです。

さて彼女はどちらから来たのでしょう?  やけに白っぽかったなぁ・・・

彼女て、ひょとしたら・・・?



Posted by あんてぃーく 六 at 22:09

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